086:あめのいろをした





087:むすんで、ひらく





088:あなたとかくれんぼ





089:おいてかないで
 こわいこと。いまが夢じゃないと思いしること。わたしはまるでひとすじの光も見つからない迷路のなかにいて、そこからたすけてくれるはずのひとはもういないを、そんなことないと自分に言いきかせる。なのに、ずっとむねのおくは温度がきえてしまっているようにしずかでかわいそうだった。
 あいかわらず要のてのひらはあたたかくて、くちびるはやわらかい。わたしはもうそれに安心できない。自分がもとめているものがわからなかった。要はここにいるのに。

「あなたは天音のことはふっきると言ったわ」
「うん」
「……」

 でもわたしはそれを信用できないの。そんなかなしい目をしないで。あなたの涙だけでわたしはしんでしまえるんだから。ばかみたいな本音を、わたしはしんじた気でいるだけだった。ゆっくりと、要のくちびるがわたしの鎖骨のあたりをすべっていく。そんなことをしてもらわないと、わたしはわたしをごまかせない。なかないで、そう言ったのはわたしだったのか要だったのか、わからずじまいでわたしは要の体温を感じるのに必死だった。どうしたらわたしは楽になれるんだろう。わたしはあなたといたいのに、あなたといるとつらいの。

「ねえ、わたしはどうしたらいいの?」

 迷路は出口を用意していない。要は、わたしを見ていない。
08.08.20
とりあえず桃実せんぱいは切ないんだという主張をしたかったわけで





090:えいえんのあしおと